子供の頃この花が怖かったのです。雪解けの湿地にドカンと出現するこの花を地元では「ヘビノマクラ」と呼んでいました。
紋別郡の湿地で群落を見つけました。
白い火炎のように立ち上がっている部分は「苞(ほう)」と言います。花びらではなく葉の変化したものです。
白い苞が先に出て後から葉が出てきます。
苞が葉の変化したもので白いってことは、クロロフィル合成を停止しさせる遺伝子が発現しているってことなんでしょうか?サイトカイニン系の植物ホルモンが関与しているんでしょうか?よくわかりません。
中央のトウモロコシの芯のようなものが「花序」といって、小さな花の集合体です。甘い香りを放っています。
分類上はサトイモ科の多年草です。下の写真のような大きな葉を見ると「サトイモ科かも・・・」とおもいますが、あまりサトイモっぽくありません。
ですが、あるお方が「苞の周りをつかんだ感触はまさしくサトイモだ!」とおっしゃっておりました。
オホーツク海沿岸の紋別郡地方には下のような群落がいたるところで見られます。ごく普通の野草です。
群生している所は、こんな湿地ですし花序はあんな形ですし、地元の呼び名はヘビノマクラですし、この花を見に高原に出かけたり、歌にうたったりする気持ちが子供の頃はわかりませんでしたが、今は「ああ、美しいのだなあ」と思います。
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