2011年5月28日土曜日

女子ジュニア銅メダリスト仲田選手練習風景

 2011年トルコで行われた女子世界ジュニアピン級で見事銅メダルに輝いた、仲田幸都子(さとこ)選手が山梨県立甲府昭和高校で高校生と合同練習をしました。中学3年生とは思えない力強いパンチを打っていました。練習風景の動画(YouTube)はこちらにあります







バックにはパワーを感じました。











妹の輪幸(りさ)選手も練習に参加しました。高校生に引けをとらない軽快な動きをしていました。


二人とも将来が楽しみです。







2011年5月27日金曜日

高校生物公開実験 眼球の解剖

ブタの眼球を解剖して、視覚器の構造を学びます。


眼球の周りについている筋肉、脂肪、まぶた等を取り除きます。ぶら下げた状態で眼球の表面(強膜の表面)に沿ってはさみを入れます。
このとき眼球裏側にある視神経を切り落とさないように注意します。視神経の接合部分が盲斑になっていることを後ほど確認します。








筋肉等が除去できました。右向きに伸びているのが視神経です。












前後の半球に二分しました。この作業が一番むずかしいと思います。角膜を下にして眼球を置き、はさみを水平に一周させて強膜を切ります。その後ガラス体をメスで二分して上手に前後の半球に分けます。

前半球では水晶体・毛様体が観察できます。後半球では網膜と盲斑が確認できます。盲斑は網膜が視神経に結合している部分であると判ります。







前半球を裏返すようにして水晶体を取り出します。












シャーレに捕って文字の上に乗せると、水晶体が見事なレンズであることが判ります。














実験用レポート用のプリント(PDF)はこちら。



質問があればコメントにどうぞ。

2011年5月26日木曜日

高校生物公開授業 興奮の伝達


シナプスで起こっている、興奮の伝達についての授業を公開します。
神経伝達物質が神経終末から分泌される仕組みの授業です。
イオンチャンネルの種類が、軸索と終末では異なる事が重要です。
シナプスの後側にあるニューロンが興奮する仕組みです。
樹状突起で単純に活動電位が生じるのではない事が重要です。
高校生物のレベルを無視して授業しています。
意識の高い生徒はとても強い興味を示す領域です。
後シナプス細胞の興奮を抑える、抑制性シナプスについての授業です。
これも高校学習指導要領を無視しています。
興奮性シナプスの機能から、抑制性シナプスの機能を考えさせるのが狙いです。
阻害物質の学習をここで行います。
神経毒の例としてフグのテトロドトキシンと、サリンを取り上げました。
タンパク質の作用を阻害するものが毒物である事を理解するのが狙いです。

興奮の伝導についての授業は動画がありません。下の板書を参考にして下さい。
画像をクリックすると拡大されます。


2011年5月20日金曜日

高校生物公開実験 酵素の熱変成による失活を確認する

酵素カタラーゼが熱により失活し、無機触媒の酸化マンガンは失活しないことを確認する簡単な実験です。実験用のプリントはこちらにあります。動画もアップしておきます。

四本の試験管に過酸化水素を5mlずつ用意します。
あとでこの中に四種類の触媒を入れて反応を観察します。











レバーを加熱処理します。突沸の危険がありますので試験管を振りながら加熱します。酸化マンガンも同じように処理します。
処理が終わったものは濾過して、すぐに使えるように机上に準備しておきましょう。









全ての準備が整ったら番号1の試験管から順番に触媒を入れて反応を確認します。
1 常温のレバー
2 加熱したレバー
3 常温の酸化マンガン
4 加熱した酸化マンガン

この写真は番号3の試験管に酸化マンガンを入れるところです。すぐに反応が始まりますので、確認用の線香を準備しておきましょう。





常温のレバーを投入しました。レバーの油があるために反応して酸素を放出すると泡だらけの試験管になります。線香は激しく反応しました。実験している生徒は、ややひるんでいます。









加熱した酸化マンガンによる反応です。激しく反応して盛んに酸素を放出しています。











実験結果をレポートにまとめます。


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2011年5月19日木曜日

高校生物公開教材 補酵素の働きをどう教えるか


補酵素の機能は酵素君のキバで教えます。


こんなんでご理解いただけますでしょうか?
補酵素によっては逆回転があります。



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高校生物公開教材 酵素基質複合体を教えるとき

酵素の機能を教えるとき、こんな説明をしています。


左の図は消化酵
素のペプシンです。
左向きに基質と結合する部位「活性部
位(活性中心)」が見られます。
この部分にピタリと当てはま
る物質が、酵素が分解する基質になります。














ペプシンをこんな顔をしたキャラクター「酵素君」だと考えてみましょう。
酵素君は、そのかけた部分にピタリと当てはまる基質君を待っています。

まるで「ぼくを探しに」のようです。











酵素君と基質君が結合したものを、酵素基質複合体(Enzyme-substrate complex)といいます。これが形成されなければ酵素はその機能を発揮しません。
 すなわち、酵素君の形が変形してしまうと、酵素君は基質君と結合することができなくなり、その機能を失います。

 では、どんなときに酵素君はその形を変えてしまうのでしょう?





酵素はタンパク質でできています。
タンパク質は高熱によりその形を変えてしまいます。

形の変わった酵素君は基質君と結合できません。

酵素基質複合体が形成できなければ、基質は分解できません。










酵素はタンパク質でできています。
タンパク質は水素イオン濃度(pH)の変化により形を変えてしまいます。

形の変わった酵素君は基質君と結合できません。

酵素基質複合体が形成できなければ、基質は分解できません。







酵素の特質を確認する実験は、熱変成とpH変成を別に行うようにしています。焦って一度に実験しても消化できない生徒がでることが多いからです。

酵素の熱変成についての簡単な実験を紹介します。

 質問があればコメントにどうぞ。

2011年5月9日月曜日

高校生物公開実験 透明骨格標本を作ってみる

 見た目もきれいで、長期間保存できる透明骨格標本を作ってみませんか。日数はかかりますが手間はかかりません。
 
飼育しているイモリやツメガエルが死亡したら、遺体を捨てずに10%ホルマリン液にでも入れて固定して下さい。KOH水溶液で表皮や筋肉を透明化し、骨格に色を付けることで透明骨格標本ができます。



1.材料の準備
 イモリ・ツメガエル・キンギョ等の遺体を利用します。
 大型のツメガエル等は内臓を除去した方が良いです。
 魚類は鱗をはずします。
 死亡して間もないものはすぐ透明化の作業に入れます
が、10%ホルマリンに固定していたものは、1~2時間水洗した後、透明化の作業に入って下さい。
    

2.透明化
 下に示す液を準備し一定期間ごとに入れ替えていきます。その過程で標本の透明化・骨格の染色が行われます。液No2にある染色原液の作り方は後のレシピにそって下さい。なお、KOH水溶液はガラスを侵しますので、すり合わせのガラス蓋がついた瓶を使うと、開かなくなってしまう事があります。注意して下さい。

液No.  液 と 混合割合
    4%KOH水溶液
    4%KOH水溶液 16 : 染色原液3 の混合液
    4%KOH水溶液
    4%KOH水溶液3 : グリセリン1 の混合液
    4%KOH水溶液1 : グリセリン1 の混合液
    4%KOH水溶液1 : グリセリン3 の混合液
    100%グリセリン

染色原液(以下のものを混合します)
  1%抱水クロラール水溶液60ml
 純グリセリン10ml
 氷酢酸5ml
 アリザリンレッドS50mg

透明化手順
①1液に標本をつける。標本の脊椎骨が透けて見える程度までつけておく。長くつけすぎると標本がバラバラになります。毎日様子を見てあげましょう。

②2液に標本を移し替える。骨格の染色を行います。骨格が赤く染まってきますので様子を見ながら2日ほどで次に進んで下さい。

③3液に1日ほどつけます。この作業で不要な染色液を抜きます。

④4液以降は、標本が容器の底に沈むのを目安として移し替えていきます。

⑤コーヒーの空き瓶など蓋付きの広口瓶に100%グリセリンを入れ、完成した標本を保存する。


 完成した標本。
撮影が下手なのでうまく伝わりませんが。骨格は青紫に染まります。

 保存は蓋付き瓶に入れ冷暗所に。
 観察する時はシャーレ等に出します。
 ピンセット等で強くつまむと標本が壊れます。







 双眼実体顕微鏡等で拡大すると骨格の様子がよく判ります。




KOHに浸けすぎた失敗作。骨格がバラバラになります。


 しっぽが取れてしまいました。




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2011年5月5日木曜日

高校生物公開実験 植物の生育に対する二酸化炭素の影響


オオカナダモを用いて、二酸化炭素不足の状態が植物にどんな影響を与えるのか観察しました。
装置は上の図を参考にして下さい。エアーポンプは強力なものを用意して下さい。




奥の列右から
逆流防止槽(空瓶)
二酸化炭素除去槽1
二酸化炭素除去槽2
手前の列左から
逆流防止槽(蒸留水)
観察槽(蒸留水にオオカナダモ)
噴出防止槽(空瓶)

二酸化炭素の除去には5%濃度水酸化カルシウム水溶液を用います。









実験開始後2日目の様子です。
まだ顕著な変化はありません。














実験開始後6日目の様子です。
葉の一部が茶褐色に変色してきました。













実験開始後7日目です。














実験開始後9日目です。一部の葉は枯死し始めました。





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2011年5月4日水曜日

高校生物公開実験 DNAの抽出実験



授業のなかで、DNAの抽出実験をしました。サンプルはブロッコリーです。新鮮なものを使用して下さい。日がたって変色したものや開花しそうなものは上手く行きません。いかにもおいしそうなブロッコリーが最適です。いいものが手に入った時に小分けして冷凍しておくのも有効です。





花芽の部分は細胞分裂が盛んなのでDNAの合成も活発です。レバーや白子を用いる方法もありますが、入手しやすさと実験中のにおいを考えると、ブロッコリーは優れたサンプルです。

花芽の部分を切り取り乳鉢に入れます。









切り取った花芽をしっかりつぶします。
このとき植物細胞の細胞壁を破壊しているのだとの強い意志を持って乳棒を動かしましょう。7~8分、少ししつこいくらいにすり潰します。







つぶしたものを中心に集めます。










洗剤と食塩を混合した抽出液を加え、そのまま10分放置して下さい。
抽出液の作り方はPDFファイルのプリントを見てください。

洗剤はリン脂質二重膜である細胞膜と核膜を乳化しDNAを浸出させるために用います。
食塩は、DNAとそれに結合しているタンパク質ヒストンを分離するのに用います。DNAはマイナスに帯電しており、一方ヒストンはプラスに帯電しています。食塩のナトリウムイオン(+)と塩化物イオン(-)がDNAとヒストンの電気的結合を緩めます。
完全に分離できるわけではありませんが、DNAやヒストンの電気的性質を学習するには良い機会になります。


抽出液を入れてから10分放置したものを、ガーゼで濾過します。濾紙だと濾過しにくく時間がかかります。ガーゼで十分です。









60%エタノールを濾液の二倍量加えます。

濾液中のDNAは水分子と水和した状態になっています。先ほども書いたようにDNAはマイナスにチャージしていますので電気的に極性のある水分子のプラス側(水素原子側)と電気的に親和してしまいます。これがすなわち、水に溶けた状態です。
エタノールはDNAと水分子の間にはいり、水溶液中からDNA分子を析出させます。
そのため、ブロッコリーの抽出液にエタノールを加えると長い繊維状のDNA分子が単独で現れます。
化学に強い生徒は、水溶液中のモノマーがエタノールの作用で繊維状ポリマーになったのではと考えるかもしれません。興味深い考察ですが、そうではない事を教師が説明してあげて下さい。




エタノール注入直後です。













エタノール注入後5分ほど経過しました。
この実験班ではDNAが一カ所に集まってきたのが観察できました。



動画もアップしておきます。参考にして下さい。
実験プリント(PDF)へのリンクはここです。

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2011年5月1日日曜日

女子世界ジュニア選手権で優勝!

 トルコで行われていた女子の世界ジュニアボクシング大会で大阪の佐伯 霞さんが見事金メダルに輝きました。 強い選手だとの噂でしたが、いきなり世界のトップになるとは!
 山梨から出場していた仲田選手も銅メダルです。素晴らしい!
 日本のアマチュアボクシングも女子優勢の時代が来るのかな?
 男ども、がんばれ!

最終結果はこちらです。